50代。きっと、ダイジョウブ。

あの日の勇気を忘れないで♪

尊厳死について

告別式で

もう少し生きて欲しかったなと、父の甥が言葉にした。

それは悪い言葉とは誰も思わない。

けどその言葉に、心を咎められている気がしてしまう事もある。


特養ホームで

父が痙攣を起こして、脳波の検査を行った。

痙攣は治ったけど、口から食べのもを食べる事が出来なくなった。

何も食べなくても痰は溜まってしまうのか、

痰が出るたびに吸い取ってもらうのが

凄く苦しそうだと母と姉家族は思っていた。

手が動かないようにベッドに縛られていたそうだ。

苦しそうな姿を見て早く楽にしてあげたいと思ったのだそう。

父は、以前自ら記載した尊厳死をカードも持っていた。

それもあって胃ろうはしない事となった

病院から特養ホームに戻る事ができて、

とても安堵した顔に変わったらしい。

自然に任せて過ごし

父の死因は老衰となった。


それで良かったのかなと母は言う。

死期を早めだのではと思っている。

特養ホームに入れて

父が家で過ごせなかった事も。

自分が介護をしなかった事にも心を痛めている。

でも、高齢の母が

意思の疎通もままならない脳梗塞を起こした父を、とても介護できる状況では無かったし、

特養ホームの職員さんと居ると穏やかな顔になっていたんだから。

頼りに出来る専門職の方々に助けてもらえて

感謝している。


父が入院した2020年3月頃からは、コロナ禍で県をまたぐ事は悪しき事となった。

リモートでも会える設備はあっても父は訳が分からず嫌がっていたので、母達もリモートで会う事はあまりしなかったらしい。

だから、私も一度帰省したけどリモート面談はしなかった。


父が倒れてから

私は何も出来なかった。しなかった? 出来る事もあったのかもしれない。

亡くなるまで会う事も出来なかった。

私も自分を責めたり、仕方がなかったと思ったりしていた。


でも棺の中の父の顔は穏やかだった

母に手を握られて息を引き取ったと聞いている。

それが全てを物語っていると思う事に。